娘に、なんて言おうかな。がっかりするだろうな。それに、娘の顔を見たら、緊張の糸が途切れてしまいそう…そんな事を考えながらクラスにお迎えに行った。娘は私を見つけて笑顔で駆け寄ってきた。娘に飛びつかれた瞬間・・・・
やっぱりこみ上げてくるものがあって、平静を装うのに必死だった。
帰り道、私は娘に話した。「あかちゃん、いなくなっちゃった」
すると娘は驚いた顔をして、「えっ!あかちゃん、いるよぉ」と言った。
私「ううん、あかちゃんね、もうママのおなかの中にはいないんだ。ごめんね」
娘「ええーーーー、どうしていなくなっちゃったの?」
私「どうしてだろうね。わかんないけど、またいつか戻ってきてくれるように、お祈りしててね」
娘「あかちゃん、いなくなっちゃ いやだぁ」娘は、とてもさみしそうだった。
私「ごめんね、ママもさみしいよ…」
そう話しながら、私は娘の手をぎゅっと握った。
家に着くと、また娘が「あかちゃん、もういないの?」と聞いてきた。
その瞬間、なぜだか急に涙が溢れてきた。泣くつもりなんて全然なかったのに。 娘を抱きしめながら、大人げなく、ただひたすら泣いた。
娘は私の様子にとまどいながらも、私の頭をなでたり、私の頬を伝う涙の雨を小さな両手で一生懸命に拭ってくれたりして、なぐさめようと必死になっていた。
娘を不安にさせてはいけない。ハッと我に返り、涙を拭いて「もう大丈夫、ありがとう」と言って笑ってみせた。
娘の前で泣くなんて、本当に情けない母親だ。