次女の成長 小5

早いもので次女はもうすぐ6年生だ。5年生を振り返ってみると、次女はものすごく進化した気がする。内気で自分からは発言をしない、目立たずおとなしい児童・・・のように見えて、実は気が強く、納得いかないことには決して屈しない無口なタイプだったが、最近では自分の意見を相手に伝えることが出来るようになった。授業でも積極的に発言するようになったし、話し合いやディベートの授業は大好きで、相手を説得する快感を覚えつつある。

特筆すべきは友人関係で、これまでは「ぼっち」になることを恐れて相手に従うことが多かったが、ある出来事をきっかけに、すっかり変わってしまった。

5年生のはじめに、Sunny は友達6人のグループに入った。その中に B ちゃんという子がいた。最初のうちは B ちゃんと一番仲が良かったので、ほとんど B ちゃんと一緒に遊んでいた。B ちゃんは日頃、「私、友達がいないんだ~」と Sunny に話していたようで、Sunny は「B ちゃんはぼっちだから私が一緒にいないと独りになっちゃう」と言って保護者のように寄り添っていた。警戒心が強い一方で、心を許した相手には愛情を注ぎ献身的な Sunny。しかし、実は B ちゃんには Sunny の他にも2人ぐらい友達がいて、しかもその内の1人は昔からの親友だったことが後に判明した。付き合っていくうちに、だんだん独占欲の強い B ちゃんの言動に振り回されて一喜一憂することが増えていった。

ある日、いつもの公園で遊んでいると、犬を連れた同じクラスの女の子が来た。Sunny は大の動物好きで、もちろん犬も大好きだった。しかし今はコロナで祖母の家には1年以上行っておらず、大好きな猫とも遊べていない。家で飼っているハムスター以外の犬や猫に触れていなかったから、久しぶりに犬と触れ合えることに夢中になっていた。

最初は B ちゃんと一緒に触っていたが、やがて B ちゃんは「鬼ごっこをしよう」と誘って来た。Sunny は本当は犬を触っていたかった。しかし、ここで断ってしまうと B ちゃんの機嫌を損ねて色々とめんどくさくなる。友達と犬どちらを取るかで迷って曖昧に返事をしていたが、いつの間にか鬼ごっこは始まっていた。しかし Sunny は逃げる気もなく、ずっと犬に触っていた。友達より犬が勝ったのだ。そして気が付くと鬼ごっこは終わっていて、 B ちゃんが泣いていた。

B ちゃんが泣いている理由に大体見当がついていた Sunny は、他の友達の所に行って状況を説明してもらった。Sunny の予想は当たっていて、Sunny が犬ばかり触っていて自分と遊んでくれなかったから泣いたのだった。これが B ちゃんとの初めてのケンカだった。

その日から B ちゃんとは度々ケンカするようになった。いつものようにB ちゃんと帰っていて遊びに誘われた。その時 Sunny は足が痛くて気持ち悪かったので断った。だが B ちゃんはしつこく誘ってきたので、本当は家に帰ってゆっくりしたかったけれど仕方なく「あつまれ動物の森」を家で一緒にやろうと提案し、オンラインで遊んだ。

次の日もまた遊びに誘われた。しかし、家でゆっくりする快適さに目覚めた Sunny は誘いを断った。それでもB ちゃんはしつこく誘ってきたが、Sunny も負けずに断り続けた。すると B ちゃんは「いつもの公園に来ないと縁切るよ!」と言い出した。しかし Sunny はひるまず「うん、いいよ!!」と笑顔で答えた。

B ちゃんが急に泣き出したので、Sunny はびっくりした。最初は嘘泣きだと思ったが本当に泣いていたようだ。B ちゃんが少し落ち着いた時、B ちゃんが「来い!!」と強い口調で言った。だが、ここまでされても Sunny は頑なに断ったうえに、追い打ちをかけるように「え?こいって、池の鯉?それとも恋愛の恋?」などと聞き返すようなボケをかましたものだから、B ちゃんは話の通じない Sunny に怒り心頭だった。

その時、偶然にも同じ友達グループの子が来た。その子に状況を説明すると、友達から「Sunny はどうしたいの?」と聞かれた。Sunny は「別に縁切っても切らなくてもどっちでもいい。」と答えたが、B ちゃんは「 それじゃ Sunny の意見になっていない」と言って納得しない。そんなことはない。これが自分の意見だと主張する Sunny は、仕方なく「縁切っても切らなくてもどっちでもいい。」と同じセリフを繰り返した。

すると B ちゃんが一転、「来んな!!」と言った。同じ友達グループの子からも「もう帰っていいよ」と言われた。一刻も早く帰りたかった Sunny は「帰っていいの!?」と笑顔で言って、友達に背を向けて歩き出した。

その日から B ちゃんとは学校で話さなくなった。委員会での話し合いで意見を言ってもB ちゃんから「は?」と冷たく言われ、相当風当りが強くなったそうだ。「相手の都合を尊重してくれない B ちゃんとは、もう付き合えない。」そう確信した Sunny は、あえて「ぼっち」でいることを選んだ。そうした日々を繰り返すうちに、Sunny は「悪口なんて言われたって何にもならないんだから気にしたって無駄。逆に自分の悪い所を教えてくれているんだから、ありがたい」と考えるようになった。

Sunny によると、B ちゃんは普段から相手が思い通りにならないと泣いたり怒ったり、悪口を言ったりする子で、Sunny の悪口も他の友達に言っているのだとか。それでも、そんな B ちゃんのことを気遣い、理解しようと Sunny は努力していた。あまりにも肩入れしているので、私と姉は「適度な距離感も大事だよ。嫌なことはちゃんと言わないと」と常々言ってきたが、「B ちゃんのこと好きだから大丈夫」と、多少嫌なことがあってもかばい続けてきた。ところが突然掌を返したように「もう B ちゃんは疲れるから遊ばない。一人の方が気楽!」と笑顔でバッサリ切り捨てる Sunny の変わりようは、別人のようで怖いとさえ思ってしまった。

今では B ちゃんと仲直りをしたものの、もう一緒に遊ぶことはなくなった。クラスで一人でも全然平気だと言う。本当に気の合う、違うクラスの友達と一緒に帰ったり遊んだりしている。「友達は2人で十分。それ以上になると人間関係がめんどくさくなる」ということを学んだ Sunny であった。

最近では、クールな振りして意外と友人の顔色を気にしてネチネチと愚痴を言う姉に対し、「ひとりの方が気楽でいいじゃん!友達といてもめんどくさいし。」なんて言ってケロっとしている。

2者面談のときに「女子は仲間意識が強く、人間関係のトラブルが起きやすい年頃です」と担任の先生が話していたが、本当にその通りになった。しかしそれをバネに、たくましく生き抜く Sunny は、私の子供時代より何倍もしっかりしていて強い子だなと思う。(私は強い友人の言いなりで、ずっと我慢してきて、機会をうかがってそーーーっとフェイドアウトしたタイプです。)

女子の友情関係が難しいのは、いつの時代も変わらないのだな、と思った。

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