もう疲れたので分娩室へ戻ることにした。その後は助産師さんが腰や足首のツボ(たぶんお産が進むツボ)をグイグイ押したり、足湯をしたり、また歩いたり、しゃがんでいきむなど、お産が進むための民間療法的なことをひたすら続けた。度々、眉間の力を抜くよう指摘された。
お昼過ぎ、何とか子宮口は6cmまで開いた。「ここまでくれば、後は早いですよ!」という助産師さんの言葉に少し安堵した。午後1時頃、母が面会に来て「あと少しだから頑張ってね。外で待ってるから」と励ましてくれた。
しばらくして、背の高い男の先生が助産師さんと共にやってきた。
先生:「ハイ、内診しますよ~」と軽い口調で手をグッと入れられた。その内診が、、、、想像を絶する痛み!!!!太くて長い指で、子宮の奥を上方向にグイグイえぐる様に刺激され、飛び上がるほどの激痛が電流のように全身を走った。
「いたぁああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーい!!!!」
それはまさに、『阿鼻叫喚』だった。
「これで少しは進むと思いますから」と一言、先生はさっさと部屋を出て行った。
何だ、今の!?一体、私に何をした!?
あまりの出来事にショックと痛みでボロボロ泣いている私に、助産師さんは「痛かった?でも、お産を進めるために、してくれたことだから…」と一生懸命フォローしていた。分かってる、そんなことは分かっているけど、もう肉体的にも精神的にも限界ギリギリ、ボロ雑巾のような今の私に、これ以上何が出来るというのか!?
もう本当に無理、今回は産めない、私はこのまま死ぬんじゃないかと、遠のく意識の中で何度思ったことだろう。なぜか頭の中では、グラナドス作曲/組曲『ゴイェスカス』〜愛と死〜という曲がグルグル回っていた。(BGM にして読んでいただくと、より一層、臨場感が増します。)