早いもので、もう妊娠6ヶ月半ば。ここまでくれば、ひと安心だ。万が一、生まれしまっても生存できる週数になっている。この場合「早産」となる。ちなみに22週前までは、医療技術を施しても生存させられないため「死産」となってしまう。
検診開始。まず先生は今朝の採血の結果について説明を始めた。血小板の数が減少していたのだ。採血の時、「血がとまりにくいことはありませんか」と聞かれたのはこのためか。
血小板の数が少なくなると『ヘルプ症候群』という妊娠中毒症のひどいものになる可能性があるそうだ。まだ問題のある数値ではないようだが、気をつけて見ていく必要がある。かといって自分で気をつけられることではなく、経過を見るしかない。発症すると胃の痛み、風邪のような全身倦怠感といった症状が現れるから、すぐ病院へ連絡するようにと言われた。次回、もう一度採血をして詳しく調べるとのこと。
肝心の赤ちゃんは問題なく、順調に育っているようだ。今回はお腹の上から心音を聞いただけ。内診はなかったため、赤ちゃんの様子を見ることはできなかった。
出産をこちらでするか、里帰りするかでずいぶん迷っていたが、間際まで仕事をしたいということと、慣れた病院で生む方が安心ということもあって、こちらで生んでから実家に戻ることにした。生まれて間もない赤ちゃんを移動させることだけが心配だったが、それは問題ないとのこと。車で寝かせた状態で運べば大丈夫でしょうと言われてひと安心だ。一方、助産師さんは電車でも構わないと言っていた。ただ、スムーズに運べるようにラッシュ時は避けるようにとのこと。
先生は、出産後すぐは赤ちゃんよりも母体が辛いので、私自身が動くこと自体が無理じゃないかと言う。退院後、本当なら1週間くらいは安静にした方がいいようだ。
また、出産後、おっぱいのトラブルは結構あるらしい。ところが他の病院は熱を持ったとか痛いとか訴えても相手にしてくれないようだ。「おっぱいに関しては意外と冷たいのよ」と先生は言った。一方この病院は、母乳のケアもしっかりしてくれて親切だと言う。おっぱいの出の善し悪しは、生まれてすぐにおっぱいをどれだけ吸わせるかによって決まるそうだ。授乳にある程度慣れてから里帰りをした方が困らないのではとアドバイスされた。
性別について聞いてみたが、まだ分からないようだ。「ここまでくると元気で生まれてくればどちらでもいいんです」と本音を言うと、先生は「そうね、生まれてからのことより、一番大事なのは妊娠経過なのよ」と、生まれてからのことを心配している私を見透かしたように言った。
これからは2週間に1度の検診になる。ようやく検診にも慣れて、私も本格的な妊婦になった気がする。