パイナップルのベイクドチーズケーキ

誕生日、家族や友人達からお祝いメールは届いたが、夫がインフルエンザで寝込んでしまい、誕生日らしいお祝いは何もない一日だった。せめて自分のためにケーキでも作ろうと思い立ち、一人さみしく夕食を済ませた後、かねてから挑戦してみたかった「パイナップルのベイクドチーズケーキ」を作り始めた。
今回のレシピはネスレのサイトを参考にした。基本のベイクドチーズケーキにパイナップル缶の果肉とシロップを加え、メレンゲでふんわり感を出すとのこと。
メレンゲ作りは初挑戦だった。ウチには100円ショップで買ったチャチな泡立て器しかない。ハンドミキサーなんて便利なものはないので、カシャカシャと気長に卵白を泡立てる。
はじめは順調だった。透明な卵白がだんだん気泡を含んで白くなっていく。「7分立てになったら砂糖を加える」とあって、7分の感覚が分からなかったが、なんとなく角がたってきた頃に砂糖とオリゴ糖シロップを入れた。実は今までのケーキにもオリゴ糖シロップを混ぜていた。砂糖だけより身体にいいような気がして、今回も試しに加えてみたのだ。しかし、シロップを加えてから何だか様子が変わった。今まで張りのあったメレンゲが、だんだん腰がなくなり、液体状に戻ってしまった。いくら泡立てても一向に角は立たず、いい加減おかしいと思い、実家の母に電話して聞くことにした。

すると、やはりオリゴ糖シロップがマズかったようだ。メレンゲというのは非常にデリケートで、少しでも卵黄が混ざっていたり、ボウルに油が付いていたりするだけでも角が立たないのだそうだ。「もったいないけど、作り直すしかないね」と言われ、仕方なく1からやり直すことにした。やっぱりお菓子はデリケートなものだなぁ。料理のように修正がきかない。ちなみにメレンゲに混ぜる砂糖は、顆粒状のもの(ヨーグルトなどに付いてくるアレ)が上品な甘さに仕上がるらしい。

今度は言われたことを忠実に守り、砂糖のみを加えてひたすら泡立てる。すると次第に手応えが出てきてあっという間に角が立った。ボウルを逆さにしても落ちてこない。やった、これがメレンゲかぁ。意外とすぐ出来るものだな。
すべての材料を混ぜ合わせ、型に流し込み、170度のオーブンで50分。あとは焼き上がりを待つだけだ。
部屋中に甘い香りが漂ってくる。私の一番好きな瞬間だ。この立ちこめる甘い香りが焼き上がりを期待させ、なんだか幸せな気分になる。50分が経ち、扉を開けてみるとまだ焼き色がついていない。温度を180度に上げて、さらに30分ほど焼いた。それでもあまり焼き色がつかなかったため、それから何度か焼き足していった。結局のところ、何分かかったか分からないが、ようやくいい感じの焼き色がついて、見事にケーキは完成した。

 

出来上がったケーキは、ハードなチーズケーキではなく、スフレのようなふわふわした食感だった。これがメレンゲの威力か?私はこっちのケーキの方が好き♡
パイナップルの爽やかな酸味とシロップのほのかな甘さがチーズにとても合っている。
ただ一つ問題が。型から出す時、ケーキが型からうまく外れず、底がボロボロになってしまった。問題解決のため、またもや母に聞いてみた。

回答:ケーキ型の底にはクッキングシートを型通りに切って敷いておく。そして側面にはバターをしっかり塗って、薄力粉(強力粉)をはたいておくとスポッと抜ける。この時、側面にクッキングシートを使ってもいいが、形をそろえて切るのは面倒だし、よれてしまうため、難しいようだ。
クッキー台のあるものは、2〜3秒、型を熱するか湯煎して、底のクッキー型のバターを少し溶かすときれいに抜ける。

やっぱりその道のプロに聞けば納得のいく回答を得られるものだ。「こういうことはレシピには書いてないから分からなくて」と感心していると、「ああ〜、そうね、当然のことだから書いてないのかも・・・」だって。
初心者は、そういうところを知りたいのにね。

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