カレーの魅力

みなさんは、無性にカレーが食べたくなることはないだろうか?日本人でカレーが嫌いな人はまずいないのではないかと思うくらい、老若男女問わず人気の定番メニューだ。私もそんな日本人の一人で、独身時代はちょくちょく近所のおいしいと定評のあるカレー屋に入っていたものだ。しばしばTVや雑誌で紹介されている店なのだが、なんと、その味をしのぐカレーが身近にあったのだ。

それは・・・義母の作るカレーである。夫と付き合っている頃、そのカレー屋に夫を連れて行ったが、「まあ、普通だよね」と反応はいまいちだった。そのワケが分かったのは結婚後だった。
夫が義母のカレーを持ち帰ってきてくれて食べたところ、そのおいしさに驚いた。「お母さんの作る家庭的な味」のマイルドなカレーではない。スパイスの香り漂う、深みとコクのある「本格的なプロの味」なのだ。口に入れた瞬間はまろやかなのだが、数秒後にじんわりと小気味よい辛さが口の中に広がっていく。じっくり煮込まれたカレーの具はほとんど溶けており、原型をとどめていない。そしてジャガイモは入っていない。煮崩れるので、別茹でして後から加えるのだ。まじめな話、数あるカレーの専門店に引けをとらない腕前だと思う。
おかげで私は結婚して義母のカレーを知ってから、一度もカレーを作っていない。作ってみても薄っぺらい辛さしか出ず、旨味が出ないので、自分のレパートリーから外した。
そういえば「妊娠中は刺激の強い食べ物は控えるように」という文言をどこかの本で読んだことがあるが、仮にカレーが刺激物に属するとしても、義母のカレーは例外として私の中ではOKということにしている。それにたまに食べるだけだし何の問題もないと思う。
それにしても、あのコクはどうやって生まれるのか、いまだ謎である。
夫に聞いたところ、ヒントになるのは「数種類のカレールウを混ぜている」ことだけ。実は夫もよく知らないらしい。直接、義母に聞いてみたこともあるが、あまり多くを語らない。
まあ作り方を聞いたところで私が作れるわけもないので、レシピは謎のままでいいや。この場を借りて、義母にお礼を一言。
「お義母さん、いつもおいしいカレーをありがとうございます、いつ食べても絶品です!」

“カレーの魅力” への5件の返信

  1. 味が本格的すぎたが故に(?)か、その家の娘は辛いモノを一切食べられないまま大人になってしまいました。。。

    克服するには高すぎる山だったようです。
    ∴我が家の料理に辛みはありません。( ´Д`)

  2. 一方、その家の息子は辛いモノはすべて食べられるのに、生モノ、臭うモノ、粘るモノは一切食べられません。
    今は我が家の食卓からは極力外していますが、子どもが生まれたら容赦なく並べる予定です。

  3. みなさま色々とお食事に関しては制限があって大変そうですね。カレーの件、多くを語らない彼女は喜んでもらえてとても嬉しそうでしたよ。

  4. 同じ食生活環境でも、味覚に個性が出るものなんですね。実におもしろい。この家に嫁いできて、あまりにもみなさん食にこだわりがおありなので、むしろ何でも食べられることの方が稀なのかも・・・と思うようになりました。

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