酉年、7月生まれだった祖母に妊娠の報告をするため、久しぶりに墓参りへ行った。お天気の良い、比較的暖かな日だった。最寄り駅から霊園までの道は緑に囲まれた閑静な住宅街で、散歩にはちょうど良い。お腹の子どもに話しかけながら、祖母のことを思い出していた。霊園に着いたのは、4時近くだった。久しぶりの祖母の墓。一人で来たのは初めてだ。
祖母が亡くなったのは3年前。まだ夫と付き合っていた頃だ。霊園へ行くのは初めてで不安だったため、夫に付き添ってもらったのを覚えている。迷いながらもようやく辿り着いた霊園の中、祖母の墓をまっさきに見つけたのは夫だった。そのときは、夫と無事、結婚できますようにとお願いした。
今度は、無事に元気な赤ちゃんが生まれますようにと祖母の墓前に手を合わせる。今回もきっと、祖母は優しく見守ってくれることだろう。
「もう少し生きていてほしかった・・・」と思わずつぶやいた。何も恩返しできなかった祖母に、せめてひ孫くらい抱かせてあげたかった。
「無事に生まれてきたら、またおばあちゃんに会いに行こうね」と我が子に話しかけながら霊園を出た。夕暮れ時の薄暗い空が、なんだか悲しかった。
帰りに祖父の家に寄った。祖母の想い出話をしていると、しんみりしてしまう。「何をしてやれたわけじゃないけど、アレはお前達のこと本当に可愛がってたもんな」と潤んだ瞳で祖父が言った。
そんな祖父を見ていて、つくづく祖母は幸せだったなと思った。家族みんなに慕われて、祖父に最期を看取られて、亡くなった後もこんなに愛されて、女としてこれほど幸せなことはないのではないだろうか?
私たち夫婦も、この祖父母夫婦のように、心の通い合う、強い絆で結ばれた家庭が築けたらいいと心から思った。
おじいさまとおばあさまは素敵なご夫婦ですね。
私もそんな最期を今は望んでいるのですが、
この間お医者さんで「あなたのような体質の人は長生きしますよ」と言われ、(きっとお医者さんは褒めてくれたんだろうけど・・)ちょっと心配になりました。
私は周りの人たちを看取り最後まで残されるんじゃないかしらと。
そう思うだけで、悲しくなってしまいました。
みんな私より長生きしてね。
それにしても、note2さんにとても愛されている旦那さまは幸せですね。
長生きするって確かにいいことばかりじゃないかもだけど、可愛いお子さんがいるから大丈夫ですよ!