次女Sunnyの性格は、人見知りで内向的。頑固。甘えん坊。学校では、おとなしくて発言も必要最低限しかせず、受け身で目立たない児童だと思う。
得意と呼べるものもなく、愛想がよいわけでもない。注目されることが苦手で、たとえ自分の誕生日パーティーでも「おめでとう」と言われるのが恥ずかしくて毛布にくるまって出てこないし、ほとんどしゃべらない。嬉しいはずなのだが、ただただ「恥ずかしい」のだそうだ。
場所見知りも強く、特に広い場所と子どものワーワー騒ぐ声が大の苦手。
初めてクラスの集まりに行ったとき、部屋に入る前から怖がっていて、部屋に入ってからは友達が遊びに誘ってくれても耳を塞ぎ下を向いたまま、うずくまって動けなくなってしまったほどだ。ちょっと普通じゃない反応だったので、その日は来て早々、お弁当も食べずに帰らざるを得なかった。
「もうこういう会には2度と行きたくない。」というので、クリスマスパーティーはパスした。
しかし、まさかのクラス替え前のお別れパーティーが開催されることとなり、担任の先生もお呼びするので、なるべく出席してほしいと連絡がきた。断ることもできたけど、このまま逃げていてはいけないような気がして、「お姉ちゃんが一緒に行くなら」ということで渋々承諾してくれた。もちろん姉は嫌々ながらの参加だったが、ゲームをしながら音楽をヘッドフォンで聴いて良いという条件で何とか付き合ってもらった。
今回は騒音対策用にフード付きパーカーをかぶり、耳栓をして臨んだ。お弁当は親と子で分かれて座ることになっていたのだが、嫌がる姉を隣に座らせて何とか席につき、食べられた。お弁当を食べるところまで我慢できたので、前回より進歩した。
それでも辛そうで、すぐ取れてしまう耳栓を気にしたり、度々私の席にやってきて膝に座ったりしていたが、やがてプラバン作りが始まった。
プラバンの下絵を一緒に選び、作業に取り掛かると、黙々と絵を描き色を塗り続ける次女。そのプラバンをオーブントースターで焼き、作品が完成したころには、すっかりいつもの次女に戻っていた。作品が上手にできたことで自信がついたのか、集中した作業をしたことで落ち着いたからか、2作目を作り始めた。他のお友達のお母さんから穴に通すキラキラしたモールをもらい、穴に通したら、とても素敵な作品になり、お母さんたちに褒められ写真に撮ってもらっていた。
私はすっかりプラバン焼き作業担当のおばさんになり、ずっとトースターの前にいて次女の様子は見ていなかったが、どうやらその後はお友達と普通に遊べたようで、会がお開きになる頃には、お友達にもらった風船でバレーをしてニコニコ楽しそうに遊んでいたことにびっくりした。しかも大きな声でしゃべっている。
耳栓もフードもかぶっていない。
帰り道でも興奮していて、「夜の道が好き」とか「今日はとーってもいい一日だった!」「お弁当、おいしかった!」などと、ぺらぺらおしゃべりして、超ゴキゲンだった。
姉の方は、結局インターネット共有がうまくいかず、電波も悪くてiPadが使えず、不機嫌そうに漫画を読んで時間をつぶしていたが、最終的には、弟妹と一緒に連れてこられた同じクラスの男子2人とロビーでしゃべっていたそうだ。
「この数時間を無駄にした」とブツブツ文句を言いながら帰ってきた姉に、私と次女が「一緒に行ってくれて、ありがとう。Sunnyが楽しめたのも、お姉ちゃんのおかげだよ」とお礼を言うと、「・・・まあ、ジャガビーとカプリコもらえたからいいよ。」とポツリと言った。
家についてからも、次女は「今日は行ってよかった♪」と何度も言っていた。
「何が一番たのしかった?」
「うーんと、ぜんぶ!」と笑顔いっぱいに答えてくれた。
「クラスの会は苦手だったけど、ちゃんと楽しめて本当によかったね」
「うん♪ ママ、ありがとう」と抱きついてきた。
多分、次女も少しだけ自信が持てて嬉しかったのかなと思う。
寝る前、「今日はこれを読んでほしい気分」と言って、絵本を持ってきた。
「かみさまからの おくりもの」という本だ。
こどもはみんな、かみさまからおくりものをもらってうまれてくる、というお話。
「私は、かみさまに、なにをもらったの?」と聞かれたので、
「たくさんあるけど、『あきらめない』をもらったんじゃない?おねえちゃんは『絵が上手』と『かんがえられる力』だと思うよ。」と答えた。
きっと横で聞き耳を立てて寝ているであろう姉へのフォローも忘れなった(笑)
こうして、心配していたクラス会は、親子ともども思い出深いものとなった。
他の子には当たり前にできることが、次女にとっては難しい課題なのだが、こうして少しずつでも課題に立ち向かい前進する姿を見届けることができて、私にとっても嬉しい一日だった。
これこそが、2年生で一番の成長だっと私は思う。