去年の暮れ、イタリア人と結婚した友人のお披露目パーティーに主人と出席した。久しぶりに再会した友人はいっそう輝きを増し、幸せなオーラを惜しげもなく放っていた。噂のイタリア人のご主人は、ブルーの瞳のハンサムだ。体格もよく、握手した手の驚異的な厚みに驚いた。ピアノを弾かせたら、さぞかし良い音が出るだろうと、勝手に想像していた。
パーティーも中盤にさしかかった頃、ビデオ上映が始まった。それは、イタリアでの挙式の映像だった。ただの中継映像ではない。プロの撮影、演出の入った本格的なものだった。
普段はサバサバした性格の友人も、スクリーンの中ではカメラ目線でかわいい花嫁を演じていた。ドレスをつまんでクルリと回ってみたり、窓の外を憂いの表情で眺める様に、はじめはとまどいを覚えた。しかし相手がイタリア人なのと、イタリアの風景の美しさが功を奏して、なんだかサマになっている。教会も天井が高く、広々としていて、格式の高そうな立派な建物だ 。日本のニセ教会やエセ神父とは訳が違う。挙式後の様子もすごい。緑に囲まれた美しい小径を手をつないで歩いたり、見つめ合ってキスをしたり、草原に寝そべってまたまたキスをしたり、そりゃあもう筋金入りのラブラブ映像だった。
・・・これ、モデル以外の平凡な日本人同士がやったらブーイングの嵐だな・・・。と私は冷ややかに観ていた。夫は「いい加減にしろ」と言わんばかりにソファにもたれてダレていた。ふと周りを見ると、両手を胸の前で組んで、うっとりしている女性陣もいた。
映像の内容はともかく、友人がとてもハッピーで満足のいく結婚式を挙げられたことが良くわかって、心から嬉しく思った。末永く、お幸せに!!