メガネっ子 〜次女編・メガネ完成と保育園の対応〜

メガネを作ると決めてから、保育園の先生にも報告した。
すると園長先生もクラス担任の先生も「まさか」という反応だった。メガネの扱い方について、保育園としても戸惑っている様子が伺えた。
数年前に年長さんでメガネの子がいたが、自分で管理できる年齢だったので問題なかったようだ。しかし他の園では、ボールがぶつかって壊れたメガネで怪我をした例もあるという。

「Sちゃんはまだ自分で管理できる年齢ではないので、私達も相談して、どのように対応するか考えます。まず事前に出来上がったメガネを持ってきてください。こちらの対応策が決まってから使用開始日を決めましょう。」とのことで、先生達に管理の方法はお任せすることにした。

そして「メガネなんて、こんな小さいうちからかわいそうですね。」と園長先生に言われた。
「たしかに本人は不自由だとは思いますが、親としては早い段階で異常に気づいて対処できてよかったと思っています。」と答えた。

一週間後、大学病院に次女とメガネを取りに行った。
出来上がったピンクのメガネをかけて、顔に合うように調整してもらった。鏡の中に映るメガネの自分に満足そうに微笑む次女。メガネケースもキティちゃん柄のピンクで、とてもご機嫌だ。「ツルの部分を拡げないようにして、頭の方から耳まで下げるようにかけるのよ」とメガネのかけ方を教わって、何度か練習もした。メガネがずれないバンドも売っていたが、ボールが当たったり転んだ際に破損したメガネが外れたほうが安全ということで、購入しなかった。

メガネをかけて帰りたいと言うので、そのままかけて廊下を歩いていると、いつもの訓練士さんと偶然会った。「あー Sunny チャン!かーわいいねー♪とってもよく似合ってるよー!」と声をかけてくれた。ついでなので、運動中もずっとかけていなければならないか尋ねてみた。次女はいわゆる矯正で治るような弱視や遠視ではないので、掛け続けることに越した事はないけれど、本を読むとか遠くを見るような場合にかければよいとの話だった。それなら少し気が楽だ。

出来上がったメガネを持って保育園に行くと、担任の先生はやっぱり気の毒そうな顔をしていた。そしてちょっと困惑気味だった。「私もメガネを扱うのは初めてで…。とりあえず運動の時や、お昼寝の時は外してこちらで預かります。」ということで、翌日からメガネ登園が決まった。

じつはこの頃、「かわいそう」と言われるたびに私が結構傷ついていた。メガネになることは、かわいそうと思う気持ちはよくわかる。でも、実際はそうじゃない。ぼやけた視界の中で生きて行く事の方が、ずっとかわいそうだ。みんなが綺麗に見えている映像が、なんとなくしか見えていなかった次女。自分が見えていないことにすら気づいていなかったことこそ、かわいそうなことだ。メガネを前向きに捉えようとしている私にとっては、「かわいそう」の5文字は言ってほしくない言葉だった。

夫に話すと、「仕方ないんじゃない?俺だってかわいそうと思うもん。」とあっさりした答えだった。
「それより、Sunny もメガネかけたらどんな風に思うだろう。自分もラゼックの手術受けて視力回復して初めて今までなんてぼやけた世界を見てたんだろう、って驚いた。もう今じゃ、パキーッとピントが合って、すっごいクリアだもん。メガネやコンタクトで見てた世界より、ずっとクリアーだよ。例えば iPhone の画面が新機種になる毎にどんどん綺麗になっていくでしょ?そうすると、今まで綺麗、もしくは普通と思ってた画像が汚い!って思うのと似てるかな。」
つまり次女も自分が見えてないことに気づかないのは当然なのだ。3歳児検診を受けてなかったら全く分からなかった。
「いいじゃん、大きくなったらレーシック受ければ。Sunny が大人になる頃には、技術がもっと進歩してるだろうし。」手術で視力が回復するとは、ありがたい世の中になったものだ。

明日からメガネ登園。どうなるのか、少し心配だ。

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