翌日8/30。いよいよ娘の1ヶ月検診だ。母乳育児の成果がはっきりすると思うと、楽しみなような 不安なような・・・少々緊張の面持ちで病院に向かう私だった。娘は抱っこひもに揺られて、気持ち良さそうにぐっすり眠っている。
まずは助産師さんによる身体測定。服を脱がせ、おむつを替えて、体重計に乗せようと助産師さんが娘を抱き上げる。
「うわ、これはずいぶん大きくなったんじゃない?」とずっしりした抱き心地に助産師さんもびっくりだ。
測定結果:
体重4785g 身長55.3cm 胸囲37.5cm 頭囲38.0cm 至って順調〜♪
ただ、少しおしりがかぶれていた。お風呂は毎日2回入れているし、うんちの後、濡れタオルでおしりを拭いていると話したら、「タオルを絞らず、びちゃびちゃのまま おしりを洗うようにした方がいいです」とアドバイスされた。
ここ最近、娘の鼻が詰まり気味で、いびきをかくようになっていたのが気になっていたので ついでに質問した。
「赤ちゃんの鼻腔は狭いために、ほこり等が入ると鼻が詰まって、呼吸の度に鼻が鳴ることがあるが、問題ないです」とのことだった。
次に小児科の先生の診察。この頃になると、娘はベッドに寝かされるのが気に入らず、めずらしくギャーギャー泣きわめいていた。「抱っこしてよ!!ウエーーーーン!!」と言っているのが手に取るように分かる。
そんな娘を先生は苦笑いしながら検査していく。関節のやわらかさや おへその状態、うつぶせにして背中を触ったりしていた。目や口の中も調べていた。「おウチでは、これだけ泣いたら抱っこしてもらえるんだろうね〜」と 先生は娘に話しかけ、舌を鳴らして娘をあやしながら、手早く検査は終了した。
そして検診の結果、こちらも異常なし。「ずいぶん立派ですね、1ヶ月と12日にしては大きめなお子さんです。母乳だけで充分ですよ。体重が重いのは身長が高いからで、太っているということではありません」とのコメントが。夫も私も背が高い方ではない。夫は170cm、私は157cm。むしろ低いくらいだ。「背が高い」というのは意外だった。
検診のあと、K2シロップというものを飲まされた。「シロップを飲む」という表現から、てっきり哺乳瓶でごくごく飲ませるのかと思っていたが、少量の黄色い液体を注射器で舌の上に2、3回に分けてちょこっと乗せるような程度だった。
そんなこんなで、ものの30分程度で1ヶ月検診は終わった。順調に大きくなってくれていて安心した。何より、母乳できちんと育っていたことが嬉しかった。同行した母も「ちゃんとおっぱい出てるんだね、よかったじゃない」と安心した様子だった。ようやく母も納得したようだ。今後、「おっぱい出てるの?」攻撃もなくなるだろう。
これで東京での用事はすべて片付いた。病院を出てその足で群馬に帰った。特急電車の出ている浅草までは、夫が車で送ってくれた。浅草から特急で1時間半。娘にとっては初めての電車による長旅だ。
40分くらいは すやすや眠っていた娘だが、さすがに道中起き出してぐずり始めた。おむつを替えたり、デッキに移動して抱っこしたり、人目を忍んで授乳したり・・・。母がいたから良かったものの、一人だったらかなり大変だろう。
再び実家に戻ったその夜のこと。またしてもおっぱいが詰まってしまった。再びあの激痛が私を襲った。しかも、前回と同じ部分にしこりができている。前回、病院で出された抗生剤を飲んで、激痛に耐えながら、半泣き状態で授乳を繰り返した。
あああーーーもう嫌だ!!なんでこんなに詰まるんだ!?もううんざりだ・・・。
ちょっと冷静になって考えてみよう。今回の詰まりの原因は何だろう?
まずは長時間の移動による「疲労」。連日の病院通い、初めての電車移動。気も張っていたし、肉体疲労もかなりのものだった。
そして、やはり「食事」だろう。帰って来たその晩のメニューはカレーだった。そのカレーは、牛スネ肉をじっくり煮込んだコクのあるカレーで、素揚げした野菜もたっぷり乗っていた。思い起こせば前の晩だって、アボガドのスライスをかなり食べた。それに、こんにゃくゼリーを調子に乗って何個も食べたっけ・・・。たとえこんにゃくとはいえ、これも立派に「甘いもの」だったのだ。
結局、私は懲りずに同じ間違いを繰り返したということだ。バカな私だ。ただ今回は、朝になれば良くなるということが分かっていただけまだ精神的にマシだった。
辛い夜を乗り越え、朝には症状も治まりつつあった。1〜2日我慢すれば、何ごともなかったかのように完治する。この頃の私は、週に1度、ひどい時には2度もおっぱいが詰まっていた。なるべく粗食を心がけ、「おかしい」と思ったらすぐ葛根湯を飲んで予防した。
こうして何度も乳腺炎を繰り返しながら、いよいよ東京へ戻る日を迎えた。これからは、全て一人でやらなくてはならない。家事、買い物、お風呂、抱っこ、授乳・・・疲労から、また乳腺炎を引き起こさないか心配で仕方ない。