恐怖の乳腺炎 〜Part 2〜

病院から戻って、すぐに処方された薬を飲んだ。そして、すぐに家で待っていた我が子におっぱいを飲ませようと、痛みをこらえて乳首を含ませた。我が子はこちらの苦痛など知る由もなく、容赦なく食いつき、一生懸命 硬い乳房からおっぱいを吸い出そうとしている。スムーズに出てこないおっぱいに時々苛立ったように乳首をひっぱる。吸われながら私は「イタイ 痛い いたいよぉ・・・」と、顔をゆがめて泣きながら授乳していた。
あまりの痛さに、我が子を乳首から引き離すこともあった。痛みをこらえるあまり、不必要な力が肩に入る。不自然な体勢になってしまうため、余計に疲れてしまう。
真っ暗な部屋で我が子を抱えながら「このまま、治らなかったらどうしよう・・・」と、どんどんネガティブになっていった。

授乳の合間、ベッドに横になるが、痛くてとても眠れそうにない。仰向けにはなれず、身体を丸めて横向きの姿勢で固まっていた。

しばらくすると、また泣き声が聞こえる。のそっと起き上がり、意を決して授乳開始!!
「イタイ 痛い いたい・・・クウ〜〜〜ッ。。。。。」

これを何度繰り返しただろう・・・この苦痛が永遠に続くように思えた。

「フンギャ〜、フンギャ〜ァ。。。。」

泣き声で ふと目が覚めた。どうやらいつの間にか眠っていたらしい。患部に手を当てると、痛みはやわらいでおり、しこりも小さくなっている。どうやら薬が効いたのと、授乳のおかげで、峠は越えたようだ。
改善の兆しが見られ、私の気持ちもようやく落ち着いた。授乳しても、さっきまでの痛みは感じない。
飲み終えて、すやすや眠っている我が子の寝顔は とても安らかに見えた。
「吸いにくくて大変だったでしょ?治してくれて ありがとう」と、我が子をキュッと抱きしめた。
ますます我が子が愛おしくなった。

我が子への愛情が増した乳腺炎事件だったが、もう こりごりだ。出産の痛みとはまるで違う痛みだったが、出産を上回る痛みのように感じた。

それにしても、母乳育児は大変だとつくづく思い知らされた。おっぱいをあげるのが頻繁で大変なのではなく、おっぱいのメンテナンスが大変なのだ。
子はおっぱいを欲しがり、母は子に飲んでもらって楽になる・・・母子は もちつもたれつの関係なのだ。おっぱいをあげなければ母親も辛くなるなんて、ホント うまくできてるよなぁ・・・

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