日を追うごとに我が子の顔が黄色っぽくなってきた。黄疸(おうだん)が出始めたのだ。
黄疸は、血液中にビリルビンと呼ばれる黄色い色素が過剰になり組織に沈着し、これが原因で皮膚や目の白い部分が黄色くなる病気です。
生まれてすぐの赤ちゃんは、余分な赤血球が急速に破壊されて行き、その上肝臓の機能がまだ未発達なので、生まれて2、3日すると黄疸が出ることが多い。これは生理的黄疸と呼ばれていて、1、2週間で消えるので心配する必要はないようです。
しかし、我が子は日に日に黄疸の数値が上昇しており、注意が必要ということで、経過を観察するため小児科の先生に診てもらっていた。
以前は両方のおっぱいをそれぞれ10分程度は飲んでいたのに、黄疸の影響で疲れやすくなったせいか、今では片方のおっぱいを5分程度しか飲んでくれない。
また、尿も便もあまり出ていなかったため、糖水を飲ませて排泄を促していた。
毒素を尿と一緒に排泄することで黄疸の数値は減少し、改善されるという。だからといって、糖水に頼り続けるわけにはいかない。哺乳瓶の方が飲むのが楽なため、おっぱいを飲まなくなってしまうからだ。おっぱいを飲むのは新生児にとって体力のいる大仕事なのだ。
黄疸の数値がボーダーラインを超えると、NICUに入らなければならない。つまり、母子同室が出来なくなってしまう。四六時中の授乳やおむつ替えは大変だけど、一緒にいられないことの方が何倍も辛いだろう。
我が子が自力で尿を出せるように、できるだけおっぱいを飲ませなければ!!
・・・そんなこんなで授乳回数はさらに多くなっていった。気付けば哺乳表のマス目は足りなくなり、1マスに2回分記入していた。
そんな過酷な授乳状況にもかかわらず、通い授乳の道を選ばずに頑張る私の姿が助産師さんたちの目に留まるようになり、いつの間にか同情と尊敬のまなざしを向けられるようになっていた。
「このペースではお母さんが参ってしまうから」と、助産師さんから搾乳をして睡眠時間を確保する方法を勧められ、試してみたこともあった。
哺乳瓶に勢いよく母乳が溜まっていく様子を想像していた私は、あまりの出の悪さに驚いた。
じわ〜っと滲み出るだけで、なかなか溜まらない。電動搾乳機の音だけがシュコン、シュコンとむなしく響いている。
結局、左右5分ずつ搾乳して20cc程度。ショックだった。挙げ句の果てに、黄疸も私のおっぱいが出ないせいだと思い込み、思わず泣き出してしまった。
「この段階で20ccとれれば問題ないし、黄疸もお母さんのせいじゃないから」と助産師さんに励まされたが、心配で仕方ない。
入院生活3日目の夜・・・この時、私のストレスと疲れはピークに達していた。