冬に読みたい名作絵本

スノーマン

私は雪の日が好きだ。「白銀の世界」とよく表現されるが、あの独特な静寂と、銀色に輝く澄んだ白さが、日常の淀んだ空気を浄化してくれているようだ。そんな雪の日は、心が落ち着くとともに、何となく胸が躍る。
そして、まっさらな雪の絨毯に足を踏み入れる瞬間の、「サクッ」という心地よい感触が たまらなく好きだ。寒がりの私だが、雪の日だけはなぜか外へ出てみたくなる。これは子どもの頃から変わらない。

スノーマン」は、私の大好きな絵本のひとつだ。マンガのように小さなコマ割りで物語は進められるが、文字はひとつもなく、色鉛筆の繊細なタッチで描かれる美しい絵のみで作られた、まさに「絵本」なのだ。ところが不思議なことに、文字がなくても十分にストーリーは伝わる。むしろ文字がない方が読者の想像をかき立て、この幻想的なお話の素敵さが効果的に表現されているように思う。

男の子が朝目覚めると、外は一面銀世界。男の子はせっせと雪だるまを作る。その雪だるま(スノーマン)が、真夜中に動きだし、二人は一夜の冒険を楽しむ。翌朝、飛び起きて外に出ると、スノーマンはすでに溶けて消えていた。。。

作った雪だるまが気になって、何度も何度も窓の外を眺める男の子。自分の子どもの頃と重なって、微笑ましい。そして何と言っても、スノーマンと男の子が雪の降る夜空へ飛び立ち、静まり返った夜の街を見下ろしながら空中遊泳するシーンは、見開き2ページを贅沢に使った迫力あるものとなっており、非常に美しい。
ラストでは、溶けてしまったスノーマンを見下ろす男の子の後ろ姿が、がっかりと肩を落としたような 何とも寂しげな背中で、とても印象的だ。思わずホロリとさせられる。

文字のない絵本なので、娘に読んでやるときは、私なりの想像でセリフをつけて読み聞かせる。最初はぎこちなくて、「なんだかなぁ…意外に難しいなぁ」と照れくさく思っていたが、娘は私のセンスのない読み聞かせでも楽しいようで、そのうち娘は私の言ったセリフを織り交ぜながら、自分でお話を作って読むようになった。

絵本を読む時、大人はついつい文字を読むことに囚われがちだが、まだ字の読めない子どもは、きっともっと視界が広く、絵も文字も含めたページ全体を見て、感覚的に楽しんでいるのかもしれない。
「想像する」子どもの視点を疑似体験できる、貴重な絵本だと思う。

“冬に読みたい名作絵本” への1件の返信

  1. 先日はお返事をいただきありがとうございました。

    実は、乳腺炎になりかけた気がした時にnote2さんのブログにお目にかかる事ができたのです。
    とにかくマッサージをしながら吸わせるということを友人に聞いたのですが、吸わせる痛みが嫌でお風呂に入った時に思いっきり乳房から搾ってしまったのです。
    ブログを読ませていただいたのがその直後だったので、かなりドキッとしました…^_^;
    その後は痛みを堪えながらもなんとか直接息子に吸わせて、結果乳腺炎にならずにすみました。

    あと、最近シャワーヘッドを購入しようと見に行ったのですが、ビタミンCの商品ありました!!
    ついブログを思い出してしまい、もちろんそれは避けました(笑)

    正直すごく勉強させてもらってますo(^-^)o
    本当に助けられてます★
    ありがとうございます。

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