出産や育児の あんなコト こんなコト

物を持つことについて

夫は物を持つことが嫌いだ。部屋が狭くなるし、片付けが大変だからだ。持っているものは最少限、機能性やデザインを含め、限りなくシンプルを好む。
買い物はもっと嫌いだ。彼にとって買い物は最大のストレスと言っても過言ではない。「そこまでやるか?」というくらい吟味して選ばなければ気が済まない。「せっかく買ったのに、後からあの機能がついてなかったとか、もっと安い店があったとか、他にもっといいものが売ってたりしたら後悔するだろ?」というのが彼の持論だ。金額の大小にかかわらず、それはCDケースやソープディッシュのような100均の商品を選ぶに至っても同じだ。「今、必要だから」と、うかつに私が買ってくると、夫の求めているデザインや機能と違うため、いい顔をしない。結局、買い物は全て夫に任せることとなり、欲しいものはなかなか買えず棚上げのまま数ヶ月が経つ。そして「みんな俺がやらなきゃならない」と憔悴した面持ちで、ため息まじりに愚痴るのが常だ。

必要なものがあると、まず、誰かの使わなくなったものを譲ってもらえるかを聞く。この場合、機能性やデザイン性は度外視である。買わなくてすむなら、それに越した事はない。それが不可能な場合には、機能、価格、デザイン、買う時期など、あらゆる面からリサーチし、それでも気に入ったものに出会えないときは先送りになるか、買う事自体を放棄する。当然周囲から「まだ買わないの?」と訊かれるのだが、彼にとってはそれがまた苦痛らしい。

結婚当初「今日は○○を買うぞ!」とウキウキして出かけたのに、あちこち歩き回ってさんざん見て触った挙げ句、「今日はやっぱり買うのやめよう」となる この展開が心底苦痛だった。買い物だけじゃない。「何か食べに行こうか」と自分から言い出したのに、あれこれ候補を挙げてもピンとこないと結局「やっぱり家で食べよう(←つまり私が作ることに)」とか、いつでも行けるようなファーストフードに落ち着く羽目になる。食べることに興味がないので、わざわざ遠くまで足を運んだり、並んだり、高いお金を出すことに意味を見いだせないのだ。
一方 私は、食べる事も買い物も好きなので、この欲求の高まった気持ちをどう処理したらよいのか分からず、海のように沈黙し不機嫌になるというパターンだったが、結婚して10年近くにもなると、だいぶ慣れてきた。なぜなら、その時は我慢して苦しくても、後から「やっぱりあの時、買わなくてよかった」と思えることがほとんどだからだ。それに子どもが2人もいると、自分の欲求を抑えることに耐性ができるのか、自分の気持ちに執着しなくなり、忘れることができるようになった。
物が増えることに対する恐怖も理解できるようになった。物を把握できないほど持つことは、物を持たない不便さよりも自分を縛り、作業効率が悪くなるからだ。

結婚当初、夫の持ち物があまりにも少なくて驚いたものだ。それでも困っている様子はない。衣替えなど、あっという間に終わる。数時間かけて嫌々衣替えをする私を見て、「だから物は持たない方がいいんだよ」と言わんばかりにニヤニヤと勝ち誇った顔をする。彼の言う事は正しいと思う。でも、買い物を楽しめないなんて気の毒にも思う。

さて、我が家の娘たち。7歳の長女は片付け嫌いの物欲女子、しかも飽きっぽい。
2歳の次女は長女のお下がりばかりで、まともに買ってあげたことがない。あの夫に「Sunnyには買ってあげなさすぎるから、何か買ってやろうか」と気を遣わせるほどだ。

こんな両親に育てられている娘達は、一体、どちらのタイプになるのだろうか?

夫語録
2012年10月3日

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