出産や育児の あんなコト こんなコト

幼保小連携園

引っ越し先の区は、子育て支援に力を入れており、子ども園や小中一貫校を設立するなど、積極的に新たな試みを行っている。
長女が転入した保育園は、もともとは幼稚園だが、おととしから保育園が開園し、こども園としてリニューアルした。保育施設と直結した文化センターも新設され、隣は系列の小学校という大変恵まれた環境で、幼保小連携園のモデル校として注目されている園だった。

開園したばかりなので、長女のいる保育園の年長クラスは9人しかいなかった。一方、幼稚園の年長クラスは30人以上。保育園クラス、幼稚園クラスとも、担任の先生は1名ずつで、補助の先生が2人。圧倒的に幼稚園児が多いため、日中は幼稚園児と保育園児をシャッフルし、それを2グループに分けて保育していた。午前中から午後2時までは幼稚園の教育時間、それ以降は保育園の保育時間となり、部屋を移動し担当の先生も変わる。
お昼ご飯は、幼稚園児はお弁当を、保育園児は給食を食べるが、それも幼稚園児と保育園児がシャッフルした状態で、グループに分かれて一緒に食べていた。
隣の小学校とも頻繁に交流を持ち、プールや芝生で小学5年生と遊んだり、学校給食を食べに行ったりと、小学校への移行をスムーズにする配慮がなされていた。

クッキングやプラネタリウム鑑賞など、子どもの保育時間中に行われる幼稚園の行事にも、保育園の父兄が参加する機会が多い。もちろん、仕事の都合がつかなければ参加しなくてもいいが、子どもは参加するため、他のお母さんたちが来ているのに自分だけ来てもらえないという寂しさを味わうことになる。なので、都合をつけて出来る限り参加するようにした。長女のクラスの父兄は、全員そういうイベントには参加していたから、私を含め、割と融通のきく仕事だったのだろう。お迎え時間も割と早い人たちが多かった。
しかもお別れ会では、親の出し物まであり、練習も午前中にあった。企画や運営はすべて幼稚園のお母さん達がしてくれて、保育園の父兄には、後日決定事項をプリントや伝言で保育園の担任を通してやり取りをしていた。練習も、全く参加しないわけにもいかず、わずかな時間でも練習に参加し、あとは家で覚えていった。

仕事を休めない忙しいワーキングマザーにとっては、こういう園は正直言って、やりづらいかもしれない。幼稚園のお母さんたちだって、わざわざ面識のない、めったに会えない保育園のお母さんに、あれこれ連絡しなきゃならなくて、仕事が増えて大変だと思う。小学生の子を持つ保育園のお母さんに話すと、「小学校に行けば、保育園幼稚園関係なく一緒になるから、小学校の予行演習だと思えばいいよ。役員になると、話し合いや活動を専業主婦のお母さんたちは午前中にしたがるし、仕事してるお母さんたちは土日にしたがる。お互い生活リズムも時間の使い方も違うから、自分のペースで出来る仕事を選んでやってるよ。」と言われ、目からウロコだった。ちょっと面倒だと思ってたけど、保育園だったら出来ない経験が出来ることを、いっそ楽しめばいいんだよね、と思い直した。

幼保小連携という形は、それぞれの垣根を越えて理解し合い交流を持つ事で、それぞれの良い面を取り入れ、刺激を受けるというメリットがある。長女の場合は、以前の保育園がかなり自由で、先生の指示に従わずウロウロしたり、勝手な行動をしている園児が2,3人はいたのだが、幼稚園にはそういう子はおらず、みな当たり前のようにきちんと座って先生の話を聞いていた。その光景だけでも私にとっては新鮮だった。おかげで長女も、ずいぶん落ち着いて行動できるようになったと思う。幼稚園の子にとってのメリットは…?以前、習い事で一緒になった幼稚園のお母さんから、保育園児のすばしっこさや、たくましさから刺激を受けるという話を聞いたことがあるが、実際のところ、どうなんだろう?

行事を通して幼稚園のお母さんたちとも少しずつ話すようになってから、前より幼稚園のお母さんたちに興味が出てきた。お別れ会の出し物や、会場装飾、スライドや卒業アルバムの作成など、幼稚園のお母さんたちは一丸となって頑張っていた。ああ、こんな風に、幼稚園のお母さんたちは協力を惜しまず、先生と手を携えて、みんなで子ども達を育ててきたんだな、ということに気づき始めた。お別れ会や卒園式で号泣するのは、我が子の成長ぶりに感動するだけではなく、きっと、そういう苦労を振り返っての涙なのだ。そして普段はスッピンで飾り気のないお母さんたちが、お別れ会や卒園式では、ばっちりお化粧をしてステキな服に身を包み、ひときわ輝いて見えた。なんか、こういうのカッコいいな、と思った。

昨年の年中から下のクラスは、保育園児と幼稚園児の割合はほぼ同じで、クラスを別々に活動していた。今年から全クラス、完全に保育園と幼稚園の活動は別となり、幼稚園の行事にも、保育園の父兄は参加できなくなったらしい。どうしてなんだろう?不評だったのだろうか。
いずれにせよ、今まで謎だった幼稚園の内情が垣間みられて、とても面白い体験ができた。現在通っている隣の小学校にも、子ども園で一緒だったお友達がたくさんいるし、色々と大変だったけれど、思い切って昨年のうちに転園してよかったと思う。

託児,
2012年5月31日

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