出産や育児の あんなコト こんなコト

ミルクの正しい飲ませ方

Sunny (次女) は予定日より20日早く生まれたためなのか、それとも個性なのか分からないが、とにかく母乳の飲み方が下手で、空気ばかり一緒に吸い込んで、しょちゅう苦しそうにしていた。Sunny の体重は入院中に 2,560g に減って、そこから思うように増えず、一緒に退院できない可能性が出てきた。体重が 2,600g を超えていないと一緒に退院できないため、ミルクを夜1回ペースで足していたが、どうやら追いつかないようだ。

退院を翌日に控え、担当の助産師さんが挨拶にきた。若いのに、ベテランのオーラが漂っていた。

「今日中に体重を増やすために、ミルクの回数と量を増やしましょう」と言われたが、私はミルクを与えることに抵抗を感じていたので、あまり気が進まなかった。しかし退院できないとなれば仕方ない。とりあえず指示に従った。

言われたとおり、母乳を与えた後、毎回ミルクを40ml与えた。口に哺乳瓶の乳首を入れて、じっと飲む様子を見ていた。お腹が空いていて、哺乳瓶の方が楽に飲めるかと思いきや、半分程度飲むと力つきて眠ってしまう。

助産師さんに「足りてるみたいで飲みませんでした」と、残ったミルクの入った哺乳瓶を返すと、「次にミルクをあげるとき、声をかけてくれますか?手伝いますから。」と、ニッコリ笑った。

深夜、Sunny がまた泣き出したので、母乳をあげた後、ミルクをもらいにナースステーションに行った。担当の助産師さんがさっそくミルクを作ってくれた。

「ここであげていっていいですよ。」と言われ、助産師さんの前で椅子を借りてミルクをあげてみた。さっそく「乳首の向きが上下逆ですよ」と凡ミスを指摘され、恥ずかしかった。必要ないと思っていたけど、やっぱり調乳指導に出ておけば良かったと後悔した。

私は Yummy (長女) の時には完全母乳育児だったので、自分でミルクをあげた経験がほとんどなく、ミルクを作ったこともないので本当に何も分からないと話した。

私の構えを見て、助産師さんが色々とアドバイスをしてくれた。

助産師さん:「頭を少し下げてあげると飲みやすいんですよ。私たちもペットボトルで何か飲むとき、上を向いて飲みますよね、それと同じです。」ほほーう、なるほど。

助産師さんが「じゃ、私がやってみますね♪」と言って、Sunny を抱っこして哺乳瓶の乳首を口に突っ込むと、驚くべき大胆な行動に出た。

「ほーーーーーーーらーーーーーー!!Suuny ちゃーーーーーーーーん!!

お・き・な・さーーーーーーーーーーーい!!!」

大きな声で呼びかけ、左右のほっぺをグニグニと大胆に指で挟み始めた…呆然と見つめる私。

それでも Sunny はボーーーッと眠っている。すると次は足の裏をグリグリ押し始めた。「ほうら、こうすると嫌で起きるから、見ててごらん。ほーーら、起きろーーーっ!!」と、小さな足の裏を強くグリグリ親指で押し続ける。ひ、ひどい、見てる方が痛くなってくるよ。。。

すると間もなく「ギャーーーーーー!!」と泣き出した。

「よーし、起きた起きた!さあ、飲みなちゃーい、いい子ねーーー」Sunny はグビグビとミルクを飲み始めた。しかし、また力つきて眠ってしまう。

ほーらーーがんばれーー!!」次は抱き起こして背中をバシバシ叩く!!Sunny は再び目を覚まし、思い出したようにミルクを飲み始めた。飲んでいる最中も、口が止まらないようにミルクを持っている手の小指で Sunny の小さな顎を強制的に動かして、無理矢理飲ませている。

新生児の扱いにしては荒過ぎる!そんなにしても大丈夫なの!?予想を超える荒技の数々に、驚きを隠せない。でも…なんだか面白くなってきた☆

助産師さん:「皆さん、この飲ませ方を見て驚くんだけど、結構赤ちゃんって思っているより頑丈だから大丈夫なの。小さい赤ちゃんや、特に未熟児の場合、その子の意思に任せてたら全然飲めないから、こうでもして無理矢理飲ませないと大きくならないの。赤ちゃんの場合、体重と体力は比例するから、とにかく飲ませることが大切。」

途中、ペースが落ちてくると、いったんおすわりさせて、トントンと身体を縦に揺すった。

助産師さん:「こうすると、下にミルクが移動して胃が空くから、また飲めるようになります。」

荒技を駆使しながら、だましだまし飲ませているうちに、Sunny は見事 40ml を飲み干した。

「えらい!!よくがんばった、いい子ねー!!」ものすごく誉めてくれる助産師さん。「ああ、これがプロの技なんだな」と、その仕事ぶりに感動した。

最後に、Sunny の身体を起こして、背中の中央あたり(←胃の位置らしい)を下から叩き上げるようにトントンして、ゲップを出させると、ようやくスパルタミルク指導は終了した。

そして、私がミルクに抵抗を感じているのを見透かすように、助産師さんはこう言った。

助産師さん:「ある程度体重が増えて体力がつくまで、それとお母さんのおっぱいが沢山出るようになるまでは、ミルクを与えることも必要なのね。出るようになったら、ミルクを減らしていって、そのうち完全母乳でいけますから。お母さんだって、身体を休めなくちゃ。今回は二人の育児で前のときとは状況が違うし。お母さんが倒れたら、赤ちゃんだって困るんだから。」

・・・そうか。ミルクだって必要に応じて使えばいいんだよね。私は何をそんなにこだわっていたのだろう。そもそも、私だってミルクで問題なく元気に育ったし。

母乳だけでやっていけるに越したことはないけれど、状況に応じてもっと柔軟にとらえればいいのだと、ようやくミルクを受け入れることができた。

退院してから2週間くらいは夜中一回、ミルクを足していた。ミルクを作っている様子を見て主人は「え?なんでミルクあげるの?」と、怪訝そうだった。でも、それにはちゃんと理由があるのだと説明すると、夫も納得していた。一ヶ月経たないうちに、母乳も軌道に乗り、1ヶ月目には完全に母乳オンリーで足りるようになった。

ミルクの正しい飲ませ方と必要性を学べたこと。それが今回の出産で一番大きな収穫だった。

出産・入院生活,
2010年6月24日

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