恐怖の乳腺炎

私 : 「いたい痛いイタイーーーッ!!!!もういいから!触らないでッ!!!!」

母 : 「だってしこりをほぐさなきゃ!自分じゃ痛くてできないでしょ!」

私 : 「ギャーーーいたぁーーーいぃぃぃ!!!!」

その日夕方、突然左胸の内側にしこりができているのに気がついた。「?」と思っていたが、特に痛みを感じなかった。いつものように授乳をしていた。おっぱいをやっていれば、そのうちしこりも取れるだろうと気軽に考えていた。

ところが・・・・・・

いっこうにしこりは取れない。それどころか、更にしこりは大きくなり、乳房は岩のようにカチンコチンに固まっている。しかも、突き刺すような痛みを伴うようになっていた。こんな痛みは初めてだ。
下着が乳頭に触るのも不快だ。ついに乳房をむき出しにしたままのあられもない格好でソファにもたれたまま、動けなくなってしまった。パンパンに張った硬い乳房・・・もはやこれは女性の胸ではない。まるで筋肉のような触感だ。

この症状は、まぎれもなく乳腺炎だった。ついに乳腺が詰まってしまったようだ。ついさっきまでは何ともなかったのに、突然の出来事に戸惑うばかりだった。
胸が張ってカチカチになったり、乳腺炎になったことのない母には、私の辛さは全く理解できないようだった。私の尋常でない痛がり方、泣きわめく姿に家族全員、お手上げ状態だった。

私もどういう処置をすればいいのかわからなかった。母は何十年も前から置いてある「家庭の医学」という本を持って来て、乳腺炎について調べ始めた。
そこには「患部を温めて、しこりの部分を揉みほぐしてください。この時、大変痛いのですが、我慢してください」というような内容のことが書いてあったようだ。

ところが、これがいけなかった。乳腺炎の時は患部を冷やすのだ。しかも、乳房を揉むなんて、もってのほかだった。本当は、基底部(乳房の付けね)から乳房全体を動かす要領でほぐし、乳輪を挟むようにしながら乳頭をひっぱって、溜まったおっぱいを出していくのだった・・・。

そんなことは全く知らない母は、この本の通りに洗面器にお湯をはって、ホットタオルを患部に当てつつ、しこりをギュウギュウ揉み始めたのだった!!!

何も知らない私も、あまりの痛さに絶叫しつつも、こうでもしなければ治らないのだと信じて、ボロボロ泣きながら母の恐ろしいマッサージに耐えていた。

しかしもう限界だった。あまりにも痛くて頭がボーーーッとする。痛みに耐える事に疲れ果ててしまった。
もうやめてくれと懇願した。揉まれるくらいなら、放置して痛みに耐えている方がマシだった。
ところが母は、そんな私を放っておけない。「乳腺炎で熱を出して入院したために、授乳を中断せざるを得なくなって、それ以降 赤ちゃんがおっぱいを飲まなくなった」という知人の例を挙げて、「今、出してしまわないと もっと大変だよ!!」と言って容赦ないマッサージを続けようとした。
「それは分かるけど・・・もうこんなマッサージ耐えられない、無理!!」と、私は母に言い放った。

もうなす術がなく、二人の間に重たい空気が流れていた。寝室はもはや修羅場だった。

沈黙を破って母が「救急で母乳外来を受けてみる?」と提案した。
もう病院の受付時間はとっくに過ぎていたが、何もしないよりはいいのではないか、ということで、急遽、母の運転で市内の総合病院へ駆け込んだ。Tシャツに胸が触れないように、ずっと前かがみの姿勢でオランウータンみたいな歩き方をしていた。

助産師さんに状態を話して、おっぱいマッサージをお願いした。まずは医師の診察から始まった。男性の先生だったので、抵抗を感じたが、そんなことも言っていられない。乳房を見せて、助産師さんと一緒に診てもらった。「あらー、かなり腫れてますね」と、助産師さんは言った。医師は炎症を押さえる抗生剤を処方してくれた。

そしていよいよマッサージだ。ベットに横たわり、助産師さんが乳房を触るのだが、もう痛くて涙が止まらない。乳房が非常に敏感になってしまっていた。「これだけ痛がられちゃうと触れないですね〜。もしかして、しこりを揉んだ?」と聞かれ、「ハイ」と答えた。
「ああ、それでよけい腫れちゃったのね!こういう時に、乳房は揉んじゃダメなのよ!基底部から動かすだけ。産院でマッサージ習わなかった?」と言われてしまった。

私のいた病院では、おっぱいマッサージをしてくれたが、マッサージの仕方は習わなかった。
母乳を出すためのマッサージだったし、ましてや乳腺炎の対処法なんて知らない。甘いものや脂肪分を摂りすぎないように指導されただけだ。それにしても、無知とは恐ろしいものだ。

結局、「薬を飲んで、痛くてもとにかく赤ちゃんに吸ってもらうしかないです」というのが結論だった。

頼みの綱は我が子。今夜は長い夜になりそうだ。。。

“恐怖の乳腺炎” への6件の返信

  1. 一ヶ月の男の子をもつママです★
    私もすぐに乳腺がつまってしまってその度におっぱいはガチガチに張ってしこりができて痛いし、熱がでて泣きそうになっています(;-;)乳腺のつまり防止策みたいのってないんですかねぇ?
    私もとにかく痛みに耐えて吸わせてます(>ω<)

  2. >♪ハイジ♪ さん

    コメントありがとうございます。
    乳腺炎、辛そうですね、お察しします。

    以下、私が行っている乳腺炎の防止策です。参考になるとよいのですが・・・

    1.食生活の改善
    脂っこいもの、甘いもの、乳製品などは、乳腺を詰まらせるので、なるべく控えた方がいいでしょう。もし食べるとすれば、日中にしましょう。カロリーを消費してしまえば、リスクも減りますよ。

    2.疲れを溜めない
    疲労も乳腺炎の原因になります。頑張れるようでも無理をせず、疲れを感じたらきちんと休むようにしましょう。
    (とはいえ、まだ1ヶ月のお子さんですと手がかかって、なかなか休むこともできないのが現状だと思います。)

    3.頻繁に授乳をする
    授乳間隔を3時間以上空けないようにして、なるべくおっぱいを溜めないようにしましょう。夜間も、授乳時間が空くと朝はガチガチになってしまいますから、もしも赤ちゃんが寝ていても添い寝授乳などでおっぱいを飲ませるようにしましょう。

    でなければ、軽く搾乳することです。
    ただ、搾乳しすぎると、余計におっぱいを製造してしまうので、乳輪部分が柔らかくなる程度にしてください。そして、搾乳は手で行った方がいいです。搾乳器は乳腺を痛めるそうです。

    4.授乳方法を工夫する
    同じ抱き方で飲ませていたり、片方だけを吸わせていると、飲ませられていない乳腺が詰まりやすくなります。
    面倒でも、頻繁に左右を変えたり、フットボール抱きなどで、まんべんなくおっぱいを飲んでもらいましょう。

    以上、思いつくまま書いてみました。
    私も2ヶ月くらいまでは頻繁に乳腺炎になり、辛い毎日でしたが、3ヶ月に入ってからは おっぱいの状態が落ち着き、今では甘いものを食べても詰まらなくなりました。ようやく母乳育児が軌道に乗ったという感じです。
    ♪ハイジ♪さんも、今は辛いでしょうけど、おっぱいが出ないことで悩むよりはずっと幸せなことだと思いますから、どうか頑張って母乳育児続けてくださいね。もう少しの辛抱ですよ!(^ー^)

  3. アドバイスすごくていねいにしてくださって
    ありがとうございます☆
    大好きな甘いものを控え、飲ませる体勢を変えて
    機嫌よく寝ているかわいいわが子を無理矢理起こして
    溜めないようにしました!!
    ・・・毎日続けてると本当につまりにくくなり、
    すごい感謝しています!ありがとう!!
    後、手で絞るのは搾乳機で絞るより痛みがなく
    しっかりしぼれました(’∇’)
    これからもしっかり母乳一筋でがんばります☆☆

    コメントが遅くなり、ごめんなさい・・・。
    最近やっと夜中も3時間置きにおっぱいをあげる
    生活に慣れてきて、少し自分の時間が持てる余裕が
    出来たと思ったら夜鳴き?が始まり
    一難去ってまた一難って感じです(;-;)眠いっ!!!

  4. ♪ハイジ♪さん
    お役に立てたようで良かったです。

    補足ですが、詰まりそうになったら、葛根湯を飲むといいですよ。
    しこり部分には、冷却シートを貼ると、症状が改善されます。

    あまりにも辛いときは、母乳外来を受診してみてはいかがでしょうか。
    溜まったおっぱいを出してもらうと楽になるし、自分のおっぱいのことやケアの仕方などを教えてもらえます。

    寝不足、辛いですよね〜。。。
    昼間 赤ちゃんが寝ている時に、なるべく一緒にお昼寝してくださいね。
    私も娘を寝かしつけるつもりが一緒に寝てしまい、ミイラ取りがミイラになる毎日です(*_*)

  5. 初めて記事を読んでびっくり!まさに私の体験と一緒で思わず笑いがこみあげてきました。(*^m^*) 私は現在8ヶ月のベビがいますが、生後すぐからの乳腺炎を何度も繰り返し、泣きながら授乳してました(涙)ゴリゴリのオバケみたいなオッパイ…私の母も見るに見かねて温かいタオルでもんでくれました(笑)母も私もオッパイに対してちゃんとした知識を持ってなかったんです…その上私は右乳だけ異常に乳頭が傷つき、助産婦さんもびっくりするほど…直接飲ませないでと言われてる中の乳腺炎でした(ToT) 本当にあの時は出産よりも痛い思いばりで、なんで私だけ?!と泣く毎日でしたが、4ヶ月あたりから乳腺炎から解放され今は少し詰まったりするけど、ベビに飲んでもらったり、自分で詰まりを取ってみたりしています。この記事を見て私だけじゃなかったんだ〜とあの地獄の毎日を思いだし、思わずコメントしました。これから私は仕事に復帰します。(保育士です)ベビも一緒で、授乳OKなので、まだまだ私も授乳生活楽しみながら乳腺炎には用心していこうと思います(^o^)/長くなりすみませんf^_^;

  6. > イブイブ さん

    コメントありがとうございます。
    あの地獄を味わったのは、私だけじゃなかったのですね…(笑
    今となっては懐かしい思いでです。

    お仕事復帰なさるのですね、おめでとうございます。園児や職員のみなさんも、きっとイブイブさんの復帰を楽しみに待っていらっしゃるのでしょうね。しかもお子さんと一緒なら、授乳に関しては安心ですね♪

    私は保育園に娘を8ヶ月から預けていますが、入園当初は授乳ができなくなることが一番心配でした。完全母乳で育った娘なので、哺乳瓶でミルクを飲む事に慣れるまで時間がかかり、それはそれは心配したものです。
    職場で授乳ができるとはいえ、仕事の疲れなどから乳腺炎にならないよう、十分にお気をつけください。お互い頑張りましょう!

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